パラキートのパラスポーツ日記

障害者サッカー中心のブログです。アンプティサッカー、電動車椅子サッカー、ブラインドサッカー、CP(脳性麻痺)サッカー、デフ(聴覚障害者)サッカー、ソーシャルフットボール(精神障害者サッカー)、知的障害者サッカーなど。そのほかのパラスポーツも紹介していきます!

未来!〜観戦記⑧ 第22回日本電動車椅子サッカー選手権【2016.10.22〜10.23】Final

 

選手の眼差しはすでに来年の日本選手権へ

 

閉会式。2日間しのぎを削った16チームの選手が再びアミティ舞洲に集いました。

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大会会長、JPFA吉野忠則会長より、表彰が行われました。

第3位はNanchester United 鹿児島(九州1位)。

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第2位はRed Eagles 兵庫(関西2位)。

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そして優勝は奈良クラブ・ビクトリーロード(6大会ぶり5度目)!

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大会MVPは同じく奈良クラブ・ビクトリーロード15#安井悠馬選手!

決勝では1ゴール1アシストで優勝に貢献しました!

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最終順位は以下の通り。

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実行委員長、SONIC〜京都電動蹴球団 河前雄也選手の閉会宣言です。

来年、また皆が集い、競えることを願って本大会は終幕しました。

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記念撮影!皆、結果は違えど全力を出し切った大会でした。

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戦い終えて、どのチームの選手・スタッフにも、皆一様に笑顔がありました。

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しかし、この大会の結果を受け止め、すでに未来を見据えているチームもありました。

レインボーソルジャーです。閉会式後のミーティングは長時間に及びました。

そして横浜クラッカーズも、写真こそ残していませんが、選手スラッフのみならず、

サポーターも集まって1時間以上もミーティングを行っていました。

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クラブチームの結果はもちろんのこと、来年は電動車椅子サッカーW杯が開催される、

電動車椅子サッカー会にとっては非常に重要な年になります。

2月に行われる日本代表選考会を控え、該当選手たちは今回の結果が自らの人生に

どう影響してくるのかよく理解し、それぞれが危機感を持っています。

人生を変える代表選考会。彼らにとって、むしろこれからが正念場なのです。

 

フレームの内側と外側に見えたもの

 

日本の電動車椅子サッカー発祥の地である大阪を舞台に繰り広げられた熱戦。

2日間の激闘は奈良クラブ・ビクトリーロードの6年ぶり、

5度目の優勝という結果で幕を閉じました。

 

この2日間という短い時間の中で、私は電動車椅子サッカーの奥深さや

競技にかける皆の想い、そして周りを取り巻く環境や人々を垣間見ました。

試合の様子だけでは伝えられない、フレームの外で起きた出来事。

そこにこそ、この競技の魅力が詰まっていました。

そして、この競技が抱えている課題も。

 

支える人々

どのスポーツでも同じですが、競技は選手だけでは行えません。

今大会も、サポーター・ボランティアスタッフ・運営スタッフの支えが、

素晴らしい激闘や感動を生み出していました。

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盛り上げる人々

大会に華を添えるのは各チームの応援団、そして観戦に訪れたサポーター! 

特に、横浜クラッカーズ、レインボソルジャー、奈良クラブ・ビクトリーロードの

各クラブ応援団は素晴らしい団結力を見せてくれました。

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チームフラッグもたくさん掲げられていました。

サポーターの思いを乗せたフラッグ。試合中、選手の声がかき消されるため、

あまり大きな歓声を上げることができないサポーターに変わり、

チームフラッグが選手たちを見守り、鼓舞してくれるのです。

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笑顔・笑顔・笑顔

この大会、とにかく笑顔があふれる大会でした!

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大会を彩った全国のチームたち

会場に来ていた皆さんは、2階観客席のAコート側の壁に

たくさんの写真が貼られていたのに気がつきましたか?

そこには、今回出場を果たした16チーム以外に、全国大会に進出できなかったチームも

含めた全33チームを紹介する写真が貼られていました。ここで紹介しますね。

実行委員スタッフの方は

「アミティ舞洲に集うことはできませんでしたが、日本選手権への出場をかけて

競い合ったチームも、みんな一緒にこの大会に参加しているんですよ」

と話してくれました。

地方予選を突破できなかったチーム、突破はできてもメンバー全員揃って戦うことが

できなかったチーム。 いろいろな想いが寄り添った大会でもあったのです。

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電動車椅子サッカーの未来に向けて、収穫と課題

 

電動車椅子サッカーの魅力を余すところ無く見せてくれた今大会。

未来に向けて明るい話題の多い大会になりました。

 

新しく芽生えた若い力

今大会、小学生の選手が3名出場しました。うち1名は公式戦初参加。

競技に打ち込んでいってくれるか否かは本人に委ねられる事ではありますが、

もし長く競技人生をスタートさせていってくれるなら、これほど明るいニュースは

ないでしょう。彼が活躍する姿を全国の子供達が見ることで、勇気づけられ、

この競技に興味を持つ子供たちも増えるかもしれないからです。

そして彼の成長は、今後の日本の電動車椅子サッカーのレベルを押し上げる

起爆剤にもなりえるのです。

 

新勢力の復活

2012年、2014年、2015年優勝のレインボー・ソルジャー。

2011年、2013年と優勝した横浜クラッカーズ。

直近5年間、いずれも関東勢がタイトルを手にし続けていた状況は、

奈良クラブ・ビクトリーロードの戴冠によって大きく変わりました。

レインボー・ソルジャーはベスト4で敗れ、

横浜クラッカーズはベスト8で姿を消すという想像しがたい状況も、

関東ブロック以外のブロックが再び力をつけてきたことを物語ります。

 

もちろん勢力図がひっくり返ったとまでは言えませんが、

かつて猛勢を振るい、復活の兆しを見せる関西勢を中心に、

次は自分のチームの番だ、とばかりに各地域の意識も高まることでしょう。

 

一方で、課題とすべき点も幾つか見受けられました。

 

選手個々の意識の違い

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この大会の位置付けは、チームによって様々。

優勝を半ば義務づけられたチーム、1勝でも多く勝つ事を目標にしてきたチーム、

記念すべき初得点を挙げる事を目的にしたチームもあったかもしれません。

また選手個人も同様に、日本代表選考のアピールの場にする選手もいれば、

夢の大舞台を大いに楽しみたい選手もいた事でしょう。

それぞれの目標があるからこそ、試合は白熱し、観客は大いに魅了されました。

 

その陰で、今回の結果を受け、あるチームの関係者は危機感をあらわにしていました。

「より上を目指して成長していける大会でなければ、

 日本の電動車椅子サッカーは衰退していく一方だと。

 

競技レベルの高まりは、競技の認知度に直結します。認知度が上昇すれば、

競技人口は増え、協力する施設も増え、全国のチーム数も更に増えていきます。

そうなれば、地域リーグ構想のような新しい可能性も芽生えるかもしれません。

しかし今回の大会は、前回大会よりも観客が少なかったという声が聞かれました。

選手寿命が短いこの競技にあって、新戦力を発掘するのは容易ではありません。

チーム、個人単位で考えるだけでなく、競技全体のことを考えていくことは、

競技関係者においては、今後更に求められていくことでしょう。

 

国際レギュレーションへの適応

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今大会は、低速レギュレーションゆえの、

先読みの戦術がものをいうハイレベルな戦いが繰り広げられました。

しかし、純粋な競技として電動車椅子サッカーをみた場合に、

果たして世界と互角に渡り合えるのか、という疑問も湧きました。

国際ルールでは、競技車の制限速度を時速10kmと定めています。

しかし、日本一を決めるはずの日本選手権では制限速度は時速6km

時速6kmの試合に慣れている選手が国際ルールで戦うのは容易な事ではありません。

競技が違うと言っても言い過ぎではないほどのレギュレーションの違い。

W杯を来年に控え、国内独自のレギュレーションをいつまで引っ張り続けるのか。

一刻も早く、徹底した議論が望まれます。

 

改めて問われるジャッジの質

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※写真はイメージです

撮影の最中、ジャッジが取り消されたり、途中で変更になったり、

審判同士でルールの確認を行う場面に幾度か遭遇しました。

国内最高峰の大会で、審判の質が問われる状況は果たして良いのでしょうか?

 

国内では全体的に試合の数が少なく、審判の育成が難しいという話を耳にしました。

しかし各チーム間では練習試合や交流戦が組まれ、試合をスタッフが裁いています。

例えば、そんなチームの練習に参加するなどジャッジ経験を積む機会を増やしたり、

国際大会を見据え海外から審判を招聘するなど、解決策はあるのではないでしょうか?

少なくとも、最も重要な「日本選手権」を審判の育成の場にすることには

違和感を覚えました。

 

電動車椅子サッカーは、文字通り「命がけ」で取り組んでいる選手もいます。

なぜなら、重度障害を持つ彼らにとって、競技にかける時間=命を削る時間でも

あるからです。つまり、一つの誤審が人生を大きく狂わせることもあるのです。

引き合いに出すべきかはわかりませんが、開会式での黙祷の意味を考えてみるべきだ、

と私は感じました。

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今年四月からJFAとの連携が強化され、教会の枠組みが大きく変わりました。

審判の質の向上に向けた取り組みが行われることを期待したいと思います。

 

撮影を終えて

 

すべての撮影を終えたとき、もうすでに舞洲は日も沈み、

夕暮れの薄い雲が美しく色づいていました。

カエルのような舞洲の悪魔城(ゴミ処理施設)は、

夕日に照らされてとても綺麗でした。

 

選手はそれぞれの自宅や滞在先に戻り、休息をとっているころかもしれません。

夜が明ければ、来年に向けまたすべての選手・チームが慌しく動き出すことでしょう。

私もまた来年、この大会を観戦したいと思います。

一年間を通して電動車椅子サッカーを見つめ続け、チームや選手の目線で、

もう一度彼らの激闘を、写真に収めてみたいと思っています。

 

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さよなら悪魔城!!(違)

 

追記:この記事を読んで、電動車椅子サッカーに少しでも

興味を持ってくださる方が増えることを願います。

 

詳しいことが知りたい方は、こちらの過去記事を御覧ください。

電動車椅子サッカー日本代表の横浜クラッカーズ永岡真理選手や、

同じく日本代表のERST広島M.S.Cの中野勇輝選手のブログ、

長年電動車椅子サッカーを追い続ける映画監督、中村和彦監督のブログで、

さらにリアルで奥の深い、電動車椅子サッカーの魅力が紹介されています。

是非ご一読ください!

 

okina-para-sports.hateblo.jp

 

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(謝辞)

観戦記をまとめるにあたりアドバイスや校閲など、

ご協力いただきましたチーム関係者の皆様、選手の皆様改めて御礼申し上げます。

また筆者の不備により今回取り上げることのできなかった、

SONIC〜京都電動蹴球団、FCクラッシャーズ 、FINE、Wings、

兵庫パープルスネークス、プログレス奈良、廣島マインツの皆様、

次回は必ず魅力的な記事にできるよう精進してまいります。

 

最後に今回の大阪遠征にお声がけくださり、得難い経験をさせていただいた

横浜クラッカーズ渡辺ご兄弟、向井様御一家、そして横浜クラッカーズの

みなさま、眞島様に改めて感謝申し上げます。

 

(了)

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