パラキートのパラスポーツ日記

障害者サッカー中心のブログです。アンプティサッカー、電動車椅子サッカー、ブラインドサッカー、CP(脳性麻痺)サッカー、デフ(聴覚障害者)サッカー、ソーシャルフットボール(精神障害者サッカー)、知的障害者サッカーなど。そのほかのパラスポーツも紹介していきます!

【告知】大変革!日本電動車椅子サッカー日本選手権、開催迫る!

 

時速6km&10kmカテゴリ、史上最多29チームが静岡に集結!

今年、日本電動車椅子サッカー界は2つの大きな嵐に見舞われました。一つは、日本と世界とのレベルの差をまざまざと見せつけられた「電動車椅子サッカーW杯2017アメリカ大会」。そしてもう一つは、国際基準を見据えた「時速10kmへのレギュレーション変更」。
そんな嵐の中、今年も電動車椅子サッカー日本選手権静岡県大会が開催されます。今回はその嵐の影響を感じさせるような大きな変更がありました。それは、大会を2つに分けての同時開催です。

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今まで行われてきた時速6kmカテゴリを「第23回日本電動車椅子サッカー選手権大会・パワフル6(以下時速6km/パワフル6)」と改称するとともに、新たに時速10kmカテゴリを新設し「第1回日本パワーチェアフットボール選手権大会/マックス10(以下時速10km/マックス10)」として開催することになったのです。

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今季を境に国際基準へ大きく舵を切ろうとしている電動車椅子サッカー界において、時速6kmカテゴリに「日本電動車椅子サッカー選手権大会」の冠を残した、その思惑は果たしてどのようなものか。今季のみの暫定的な大会形式として行われるこの大会が、試金石になることは間違いありません。

カテゴリが2つに二分された理由とは

先のレギュレーション変更は、国内の独自ルール(時速6km)だけでは世界に太刀打ちできないという危機感から生まれたものです。しかし、このことが大きな混乱をもたらすことにもなりました。

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そもそも国内には、道路交通法で定められた「電動車椅子は公道で時速6km以上出してはいけない」という法律があり、国産の電動車椅子のほとんどは時速6km以上が出せない、もしくは出すことを想定して作られていません。国際基準の時速10kmで戦うためには、ストライクフォースに代表される海外製品や、国産で競技に耐えられる強度を持つものを使用するほかなく、そのため時速10kmに移行できるチームと時速6kmでしかプレイできないチームとに分かれてしまうのです。

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今年のみの暫定処置として、地区予選が廃止され、参加希望チームが直接エントリーできるようになった背景にはこのような事情もありました。

フレッシュな顔ぶれが揃う、今大会注目の出場チーム!

史上最多29チームが出場する今大会、その顔ぶれを見てみましょう。
時速6km/パワフル6は全部で16チーム、時速10km/マックス10は全13チームがエントリー。全29チームが智謀と体力を駆使して、総ノックアウト方式の過酷なトーナメント戦に挑みます。

日本一の頂、そしてその先の世界を目指す、パワフル10
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時速10km/マックス10のエントリーチームは、ドリームカップマリノスカップなどですでに時速10kmを経験してきているチームばかり。その中にあって特筆すべきは、次時速10kmカテゴリへの変更を決めたプログレス奈良(奈良)、バレッツ(長野)の2チームと、初出場となったA-pfeile広島PFC(広島)。時速10kmでの公式戦の経験が浅い3チームではありますが、レギュレーション変更が決まってから大会までの間で、近県のチームとの練習試合を重ねこの日まで積み上げてきました。彼らがどのような戦いを見せるのか要注目です。それでは初戦カードについて、簡単に紹介していきます。

A-pfeile広島PFC vs Yokohama Crakers
初出場となるA-pfeile広島PSCは、アフィーレグループ3チーム目となる、今年4月に設立されたばかりのチームです。初戦の相手は関東の強豪Yokohama Crackers(神奈川)。いきなり強豪チームとの対戦ですが、挑戦者として怖いもの無し。対するYokohama Crackersもこの一戦で、3大会ぶりとなる戴冠へ弾みをつけたいところ。

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王者返り咲きを誓うYokohama Crackers

 

金沢べストブラザーズvs ERST広島M.S.C
昨年の日本選手権でも初戦で当たった両者。金沢の城下歩選手と広島の中野勇輝選手は日本代表としても同じ釜の飯を食った戦友同士。去年は金沢に軍配が上がりましたが、昨年のリベンジを果たすべく、広島もパワーアップして帰ってきました。

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中野選手がキャプテンシーを発揮し、3名での出場ながら奮起したエルスト広島M.S.C
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選手権優勝に向け、好条件が揃う金沢ベストブラザーズ


Nanchester United鹿児島 vs バレッツ
3月のドリームカップでは、3名での出場ながら優勝という強烈なインパクトを残したNanchester United鹿児島。初戦の相手は、10kmカテゴリに転身を果たしたバレッツ(長野)。同じく長野を拠点にするFCクラッシャーズ(長野)の胸を借りて、急速に力をつけたバレッツの壁を破れるか。

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ドリームカップを3人で制したNanchester United 鹿児島
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時速10kmカテゴリへの転身という英断を下したバレッツ


レインボー・ソルジャー vs プログレス奈良
こちらも、時速10kmカテゴリに参入を決めたプログレス奈良(奈良)が強豪チームに挑むフレッシュなカード。対するレインボー・ソルジャーは、W杯で貴重な経験を得てきた3選手が、その経験をチームに還元してパワーアップして初戦に臨みます。

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関東に覇権を取り戻すためにパワーアップしたレインボー・ソルジャー


奈良クラブビクトリーロード vs Wings
前回優勝の奈良クラブビクトリーロード(奈良)とそれに挑む古豪Wings(岐阜)の一戦もご注目。メンバーに変化のあった奈良クラブビクトリーロードは、ベテラン松浦昌文選手を中心とした老練な戦術が持ち味のWings相手にどのような試合を見せるのか。

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ベテラン松浦選手がけん引するwingsは前回王者と対戦
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大代監督率いる前回王者、奈良クラブビクトリーロード


シードを獲得した3チームは、より日本選手権制覇に近い位置につけています。

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左)YOKOHAMA Bay Dream 中)Red Eagles兵庫 右)FCクラッシャーズ

初の日本選手権制覇に向け、最高のポジションにつけたYOKOHAMA BayDream(神奈川)、前回準優勝のRed Eagles 兵庫(兵庫)や近年安定した強さを見せるFCクラッシャーズ(長野)など、どれも見逃せないチームばかり。果たして時速10kmの世界の王者になるのはどのチームか!



目指すは国内最高峰。日本選手権の歴史にクラブとして名を残せ、パワフル6

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時速6km/パワフル6は、過去、地域予選で涙を飲んできたチームが多くエントリーしています。どのチームも初の日本選手権優勝がかかっています。簡単にチームを紹介していきましょう。

Infinity侍(佐賀)
2011年に佐賀県で発足したInfinity侍。選手は現在10名。同じ九州で活動するNanchester United 鹿児島とは定期的に練習試合を行い、日々チーム力を高めています。注目は今年チームに加入した元日本代表、川崎良太選手。

infinity-samurai.net
FINE(東京)
昨年の日本選手権はトーナメント1回戦敗退。選手もギリギリの4人という苦しいチーム事情ですが、ピンクの電動車椅子を駆るキャプテン、山上昌子選手のアグレッシブなプレイは健在。

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MAX(三重)
23年の歴史を持つ古豪MAX。日本選手権という大舞台で萎縮することなく戦ってほしいところ。

match-football.com

電動車椅子サッカークラブ MAX 【電動車椅子サッカー】 | 障がい者サッカー情報サイトMatch

Safilva(北海道)
北海道初の電動車椅子サッカーチーム、Safilva。複数の障害者スポーツチームを運営しているSafilvaグループの一員です。メンバーは少ないですが、初の日本選手権での躍動に期待です。

Safilva オフィシャルサイト

ファインフレンズ
過去は幾度も全国大会に出場実績を残してきたファインフレンズ。近年は本大会でその勇姿を見ることが少なくなりましたが、今期久々の日本選手権の場。まずは思い切りぶつかっていきたいところです。

ファインフレンズホームページ

  

TAMA
昨年まで「ゴール電・ファイアーズ」のチーム名で活動してきたTAMA猿(タマザル)。チーム名を変え、新たなチームとして心機一転。チームにとって初となる日本選手権に挑みます。


大阪ローリングタートル 
創立1982年という、日本で最も歴史のあるチーム、大阪ローリングタートル。日本の電動車椅子サッカーの祖とも言えるこのチームは、どのような戦い方を見せてくれるのか、注目です。

https://www.facebook.com/osakarollingturtle/


BLACK HAMERS (埼玉)
埼玉県唯一の電動車椅子サッカーチーム。2月のマリノスカップでは時速6kmカテゴリで優勝し、石川県協会の県外指導者派遣事業で金沢の城下歩監督から講義を受けるなど、パワフル6の優勝候補筆頭です。

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電動車椅子サッカークラブ BLACK HAMERS ブラックハマーズ


クラッチ香川(香川)
四国で活動する電動車椅子サッカーチームのうちの一角。昨年の日本選手権では、エルスト広島M.S.Cに悔しい敗戦。今年はその悔しい思いを払拭するべく挑みます。初戦の相手はSFCデルティーズ。初戦を突破して昨年のリベンジを果たしたいところ。

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電動車いすサッカーチーム スクラッチ香川

 
SFCデルティーズ(静岡)
お茶が出る出るデルティーズの名の通り、渋くて熱い戦いを見せるチームです。実力伯仲、横一線の時速6km/パワフル6において、地元の地の利を生かして結果を残すことができるか。

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https://www.facebook.com/SFC%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BA-1476205846034831/


SONIC 〜京都電動蹴球団(京都)
歴代監督の意志を受け継ぐ増永明芳監督の元、精力的な活動を続けるSONIC。6月の大会では、大阪ローリングタートルに11-0の大勝、そして苦手とする兵庫パープルスネークスに0-2の惜敗。今大会では何かやってくれそうなSONICに期待大です!

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www.sonic-kyoto.org

https://www.facebook.com/sonic.kyoto

ウイニングフェニックス(千葉)
昨年6月の関東大会ではベスト4という成績を収め、BLACK HAMERSやYokohama Bay Dreamとの練習試合を精力的にこなす千葉県の雄。全国大会にその名を轟かせるべく、初戦のSONIC戦に挑みます。

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ウイニングフェニックス/TOPページ

兵庫パープルスネークス(兵庫)
兵庫で活動する古参チーム。その実力は折り紙つき。選手層の厚さは他のチームを圧倒します。今期はユニフォームも刷新し気分も一新、チームの雰囲気もとても良さそう。6年前の日本選手権以来の決勝進出、そして悲願の初優勝を狙います。

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www.bb.banban.jp


DKFBCディスカバリー(愛知)
7月に開催されたあいち電動車椅子サッカーアカデミーで、兵庫パープルスネークスと前哨戦を行っているDKFBCディスカバリー。この時は0-1という僅差で敗れましたが、
本大会でリベンジを果たせるか。チームの「探求(Discover)」が始まります。

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www.web-jpfa.jp


廣島マインツ廣島
エルスト、アフィーレと、電動車椅子サッカーの強豪チームのひしめく広島県廣島マインツもそんな強豪チームのひとつです。プレイングマネージャ松本優希選手が、チームを優勝へ導きます。

電動車椅子サッカーチーム 廣島マインツ


ポケットファイトFC(茨城)
ポケットファイトFCの勇姿を見たのは、昨年9月の関東大会。その愛らしいチーム名とは裏腹に、キレのある果敢な攻めを見せていたのが印象的でした。日本選手権という大舞台で、どんなファイトを見せてくれるのか、楽しみなチームです。

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ざっと駆け足で紹介してきましたが、どのチームも実力は横並び。兵庫パープルスネークス、BLACK HAMERSの2チームが一歩抜きん出ているかもしれません。しかし日々抜きつ抜かれつの電動車椅子サッカー界では、何が起こるかわかりません。その将来をうらなう上でも、とても興味深い大会となりそうです。

実は個人的に注目しているポイントがあります。以前紹介した、石川県電動車椅子サッカー協会の県外講師派遣事業。金沢ベストブラザーズの城下選手が各地を回って指導をしているのですが、時速6km/パワフル6のエントリーチームのうち、DKFBCディスカバリー、BLACK HAMERS、SFCデルティーズの3チームはこの講義を受けています。そして何やら必勝のメソッドを授かったとか授かってないとか。
もしかしたらパワフル6の優勝争いの鍵は、城下選手が握っているのかもしれません。

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暗躍中(?)


日本の電動車椅子サッカー界の未来を占う大きな節目となった日本選手権。今年の会場は静岡県小笠山総合運動公園内「エコパアリーナ」。是非会場へ足を運んで、新たな歴史が刻まれる姿をその目で見届けてください!
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第23回日本電動車椅子サッカー選手権
第1回パワーチェアーフットボール選手権大会

日時:9/30(土)9:00〜20:00
   10/1(日)9:00〜17:00
会場:小笠山総合運動公園内「エコパアリーナ
最寄駅:JR東海道本線「愛野」駅徒歩10分
入場無料&雨天決行
詳細は下記(PDF)をご参照のこと。

http://www.web-jpfa.jp/admin/news/pdf/p11835679916.pdf

www.web-jpfa.jp

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 (了)

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