3位決定戦!
5位決定戦の興奮も冷めやらぬうちに、
次の試合、3位決定戦が始まりました。
パラキートはスタンドの上部にカメラを移動させて再び観戦です。
スタンドの上部には車椅子席がもうけられていて、
車椅子利用の観客も安心して観戦できるようになっていました。
高いところから見ると、各チームのテントがフィールド上に立っていて
とてもカッコよかったですよ。
近くで見るとこんな感じ。選手が中でマッサージなど行っています。
それにしてもエンブレムがすごくかっこいい!
サッカーチームのエンブレムデザインって、憧れますね(デザイナーなので)。
ご用命、お待ちしています(違う)。
高いところから見ると、より選手の全体的な動きやバランスがわかります。
戦術的な観点で観戦するときは席を移動するのも良いですね。
パラスポーツの場合ほとんどが自由席なので、それを利用して様々な角度から
観戦すると、また面白さが増しますよ!
肉。
三位決定戦は、前回大会で3位に入賞した
関西セッチエストレーラスvs千葉・北海道合同チーム。
赤いユニフォームに身を包んだ関西セッチエストレーラスのメンバー
千葉・北海道合同チームは「AFC BumbleBee千葉」と「Asilsfida北海道AFC」、
そして結成したての、なんと今回一人でエントリーした
「FC1TOP(埼玉)」の3チーム合同での出場です。
キーパーはAsilsfida北海道AFCのユニフォーム、
他の選手はAFC BumbleBee千葉を着ています。
実はこの2チーム、観戦前からチェックしている選手がいました。
Asilsfida北海道AFCのGK 伊藤 力選手(上)と、
関西セッチエストレーラス FP25番 川西 健太選手(下)です。
伊藤選手、実はわたくしパラキートと下の名前が同じで、
ユニフォームの「CHIKARA」の文字に目を奪われてしまいました。
正確なフィードと勇気あるセービングが光る選手です!
そして、川西選手は以前「メイク・ア・ウィッシュ」というプロジェクトで、
横浜Fマリノスの元日本代表・中村俊輔選手と共演したことがあり、
その映像を見ていたこともあって注目していたんです。
若々しい笑顔の素敵な選手ですが、プレイ中はアグレッシブで
どの局面にも常に顔を出し、相手チームの脅威になっていました。
共演当時は17歳ということで、これからどのような活躍をしてくれるのか
とても楽しみです!
文字通りの肉弾戦
試合はお互いに闘志をむき出しにしながら、スピードと当たりの強さが
真っ向からぶつかるような、文字通りの肉弾戦になりました。
関西セッチエストレーラス 7番福留選手を真っ向から止める、
千葉・北海道合同チーム 7番板倉選手。
足を踏んでいますが、そこまで深く飛び込んでいくくらい、
タックルは激しいものがあります。
川西選手も、屈強な千葉・北海道合同チームの4番、金井選手にを交わそうとして
フェイントを仕掛けますが、しっかり体を当てられていますね。
アンプティサッカーは体重移動が特殊なので、
一度抜かれそうになっても、食らいつくシーンがとても多い印象でした。
試合のいたるところで、このような競り合いが繰り広げられました。
バランスを崩せば転倒が待っています。
すぐに起き上がれず、かつ人数の少ないアンプティサッカーは、
DFが倒れると一気にピンチになります。
5位決定戦とは全く様相の異なる試合展開となりました。
アンプティサッカーは前後半1回ずつタイムアウトを取ることができます。
あれだけがっつり削りに行っていた板倉選手、すごくいい笑顔です。楽しそう!
試合は互いに譲らない展開。
千葉・北海道合同チームがパワフルで華麗な攻めを見せます。
相手DFを巧みに交わし置き去りにする板倉選手。
このままゴールに迫ります!
しかし関西セッチエストレーラスのGK23番 北波(きたば)選手が
ゴールを許しません。
一方で、自陣で反撃に転じようとする関西セッチエストレーラスを
くまんばち集団が襲いかかります!
しかしそれを物ともせず交わす川西選手。
両者、ラストパスがシュートに結び付かないような展開を繰り返し、
なかなか得点の匂いが感じられない状況が続きます。
待望の先制点!試合はさらに拮抗!
そんな中、ついに試合が動きます。
前半17分、千葉・北海道の8番、根本選手のゴール前に放り込むような
弓なりのFKをGK北波がキャッチ。
そのロングフィードを絶妙なタッチでトラップしたのは川西選手でした。
そのまま相手ゴール前に持ち込んでシュート!
相手GKが跳ね返したボールを赤いユニフォームがゴールへ押し込みます!
点を決めたのは関西セッチエストレーラス 福留選手。
マークをうまく外してのゴールでした。
その後も互いにチャンスを作りつつも追加点がないまま
前半を折り返しました。
1点を追う千葉・北海道合同チームは後半19分に素晴らしいプレイが飛び出します。
GKからのパスを2人でつなぎ、最後にボールを受けた10番、
古城選手が振り向きざまに2人をスルスルとかわし、
GKとの1対1を制して同点弾!
その後も常に互いのゴールを脅かし続ける両チーム。
疲労も溜まり始め、少しずつ動きが止まり始めたその時。
後半17分、やはりGK北波からのロングフィードを敵ゴール前で
待ち構えていた川西選手が、巧みなヘディングで相手DFをかわすと、
そのまま持ち込んで2人のDFの間隙を縫うようなシュートが決まり、2−1!
残り8分の所で千葉・北海道合同チームを再び突き放します。
関西セッチ7番の吉井選手が囮になる動きも絶妙でした!
その後も必死の追い上げを見せる千葉・北海道合同チーム
しかし関西セッチも必死のDFで付け入る隙を与えません。
そして試合終了!結果は2-1。
昨年に引き続き、関西セッチエストレーラスが3位を守りました。
スコア以上に見ごたえのある試合、アンプティサッカーの魅力の詰まった
試合となりました。
試合の中で特に印象に残ったのは、笑顔。
ファウルを犯しても、選手も審判も皆笑顔を見せます。
緊張感を持って試合をしているからこその充実した笑顔に見えました。
試合後の挨拶も、素敵な両者の笑顔。
サッカーは障害の有無、性別、年齢、国籍全てを超えると言われますが、
その理由の一つがこの笑顔なのかもしれません。
もちろん敗者は悔しい想いも持っているけれど、
その思いは相手選手や審判じゃなくて、来年の大会にぶつけていけば良いですよね。
千葉・北海道合同チームの10番古城選手、関西セッチエストレーラス19番冨岡選手の
両日本代表のマッチアップも見ごたえがありました。
決勝前に、素晴らしく力強いゲームを見せてくれた両チームに感謝です!
③へ続く