パラキートのパラスポーツ日記

障害者サッカー中心のブログです。アンプティ、電動車椅子、ブラインド、CP(脳性麻痺)、デフ(聴覚障害者)、ソーシャル(精神障害者サッカー)、知的障害者など。そのほかパラスポーツもご紹介!

栄光を掴むのは誰か〜レオピン杯コパ・アンプティ2018観戦記①

 

アンプティサッカーの祭典、再び!

2018年5月19日、朝8時、大阪・花博記念公園鶴見緑地
昨年の今頃は朝からの雨で足元が悪い中を、慣れない大荷物を背負いながら歩いていたなあ、などと思い返しながら、パラキートは会場を目指していました。

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激闘の末にFCアウボラーダの優勝で幕を閉じた昨年のレオピン杯。あれから一年、アンプティサッカーの祭典「第5回レオピン杯 Copa Amputee」が再びここ、大阪で開催されるのです。
昨年初めてピッチから大会を観戦し、そのドラマティックな競技にすっかり魅せられたパラキートは、翌年もこの地に赴くことを決めていました。
前日で雨は上がり、開場前から晴天が雲間から顔を覗かせています。過去最高とも言えるコンディションの中で、大会は行われます。

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会場に着くと、すでに運営スタッフや学生ボランティアや、そしてチーム関係者らが集まり始めていました。程なくしてボランティアへの説明が始まります。

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パラキートも手渡された黒ジャージを着て、臨戦態勢。実は今回、大会のオフィシャルカメラマンを拝命されたのでした。初めてのオフィシャルカメラマンに緊張しつつも、いざ、スタジアムへ!

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場内ではすでに設営が急ピッチで進められていて、ボランティアスタッフが指示に従ってテキパキと動いていました。大会は彼らボランティアスタッフによって支えられているのです。

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2018年メキシコW杯派遣選手の選考を兼ねた大会

AM10:00。
設営が終わり、整えられたフィールドに選手たちが集結。開会式が始まりました。

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選手の表情は昨年よりも硬く見えます。それもそのはず、今大会は10月に開催される「アンプティサッカーメキシコW杯」の派遣選手選考会も兼ねているからです。この大会の結果だけで選手が選ばれるわけではありませんが、重要な選考材料となることは間違いありません。

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昨年大会の優勝チーム、FCアウボラーダが優勝トロフィーを返還。持ち主不在となったトロフィーを6チームが再び奪い合います。

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開会式が終わると、選手たちはその場で待機。協会スーパーバイザーのセルジオ越後氏から、厳しい訓示が選手に投げかけられました。

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「この大会は日本代表選手の選考にも関わる大会です。ですが、日本代表に選ばれるために頑張る、ということではダメです。選ばれる、選ばれないに関わらず、あなたたちが今頑張らなければ、日本のアンプティサッカーは終わります。その自覚を持って取り組んでほしい」

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競技人口も少なく、日本ではまだまだマイナーなスポーツであるアンプティサッカー。危機感を露わにするセルジオ越後氏の言葉に、選手たちはみな真剣な面持ちで耳を傾けていました。

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その後、日本代表監督の杉野正幸監督を委員長とする、日本アンプティサッカー協会「強化委員会」の組閣報告とメンバー紹介。

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メンバーには、FCアウボラーダ・新井誠治選手(日本アンプティサッカー協会理事)、FC九州バイラオール・野間口圭介選手の2名が含まれ、選手と協会が一体になって日本全体の競技レベル向上を図るという、強い決意を感じさせました。

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ジンクスは破れるか。アンプティサッカーの不思議な法則

今大会は計6チームで争われます。昨年大会と違うのは合同チームの編成。昨年は単独出場でのエントリーだったA-pfeile広島AFC(広島)がFC ONETOP(埼玉)と合同を組むことになりました。グループ分けは以下の通り。

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グループA
FC九州バイラオール
AFC BumbleBee千葉+アシルスフィーダ北海道AFC
ガネーシャ静岡AFC+TSA FC

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グループB
FCアウボラーダ
関西セッチエストレーラス
A-pfeile広島AFC+FC ONETOP

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注目はグループB。昨年大会で決勝を戦ったFCアウボラーダと関西セッチエストレーラスが同グループに組み込まれました。またもう一つの注目点は、レオピン杯のある法則が、今年も発動するのかどうか。

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第一回レオピン杯 優勝:FC九州バイラオール/準優勝:関西セッチエストレーラス 

第二回レオピン杯 優勝:FCアウボラーダ川崎/準優勝:FC九州バイラオール

第三回レオピン杯 優勝:FC九州バイラオール/準優勝:FCアウボラーダ

第四回レオピン杯 優勝:FCアウボラーダ/準優勝:関西セッチエストレーラス

第五回レオピン杯…????

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第一回日本選手権 優勝:FCガサルス/準優勝:FC九州バイラオール

第二回日本選手権 優勝:FCガサルス/準優勝:FC九州バイラオール

第三回日本選手権 優勝:FC九州バイラオール/準優勝:FCガサルス

第四回日本選手権 優勝:FCアウボラーダ川崎/準優勝:FC九州バイラオール

第五回日本選手権 優勝:FC九州バイラオール/準優勝:FCアウボラーダ川崎

第六回日本選手権 優勝:FCアウボラーダ/準優勝:FC九州バイラオール

第七回日本選手権 優勝:FC九州バイラオール/準優勝:FCアウボラーダ

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レオピン杯でも日本選手権でも、FCアウボラーダとFC九州バイラオールが交互に優勝を分け合うという不思議な法則。この法則に従えば、今大会の優勝はFC九州バイラオールということになりますが、果たして…。

注目の初戦。日本選手権王者、FC九州バイラオール登場 

大会の初戦は、そのFC九州バイラオールが登場。昨年の日本選手権、PK戦までもつれ込んだ激戦を勝ち抜いたFC九州バイラオールは、選手層の薄さという弱点を克服し、万全の状態で大会に臨みます。

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対するはAFC BumbleBee千葉。盟友アシルスフィーダ北海道と再び合同チームを組み、チームの躍進を目指します。初戦から胸踊る好カード!いよいよ2日間に渡る熱戦の火蓋が切って落とされます!

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グループA  FC九州バイラオール vs AFC BumbleBee千葉

 

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前半

FC九州バイラオールのキックオフで始まった初戦は、静かな立ち上がり。しかし18#天川隼輝選手をはじめ、機動力に勝るFC九州バイラオールが、徐々にペースを握り始めます。

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ピッチを広く使い、正確にパスをつなぐFC九州バイラオール。キャプテン7#加藤誠選手は攻守にバランスよく顔を出し、前線へパスを供給。

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10#萱島選手9#野間口圭介選手、そして18#天川選手が抜群のコンビネーションで抜け出すと、ゴールへ迫ります。

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と、それをAFC BumbleBee千葉63#前澤寛選手が身体を張って阻止!AFC BumbleBee千葉にとっては序盤から耐える時間が続きます。

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前半4分、最初の決定機が訪れます。CKに合わせて10#萱島比呂選手の放ったシュートはゴールポストに嫌われ、AFC BumbleBee千葉は冷や汗をかきます。

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しかしほっとするのもつかの間。その2分後、10#萱島選手9#野間口選手とのワンツーできっちり崩されてしまい、先制点を許します。

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一方的に押し込まれる展開が続くAFC BumbleBee千葉。反撃に出ようと試みますが、前半8分、4#金井隆義選手のパスは7#加藤選手にカットされ、猛然と駆け上がる18#天川選手へつながれてしまいます。

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18#天川選手は、そのままのスピードでサイドをぶっちぎり、相手ゴール前に構える9#野間口選手へラストパス!

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8#根本大悟選手も懸命に戻りますが、間に合わず。9#野間口選手はキーパーを見ながら冷静にボールを流し込みます。点差は2点に開きました。

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これ以上点差をつけられると苦しいAFC BumbleBee千葉。前線の44#松田倫知選手、31#竹内翔選手に変えて、11#福田柚稀選手、70#佐藤直美選手というフレッシュな若手を投入し、反撃の隙を伺います。

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一方、守備で貢献した63#前澤選手は本職DFの9#後藤太一選手へ交代。さらに、それまで前線で攻撃を担っていたキャプテン10#古城暁博選手は、8#根本選手と入れ違いに守備に回り、守備的な布陣に。

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守備の安定度が増したAFC BumbleBee千葉。11#福田選手18#天川選手の進路をふさぎ、攻撃のテンポを狂わせます。

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4#金井選手10#古城選手に鋭く身体を寄せられ、ゴール前に迫りながらシュートまで持ち込むことができません。GK55#奈良優選手も存在感を発揮します。

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カウンター攻撃に活路を見出そうとするAFC BumbleBee千葉でしたが、うまく合わず。前半はスコアが動かないまま折り返します。

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後半

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AFC BumbleBee千葉は後半に入っても押し込まれます。疲れ知らずの18#天川選手はフィールド全体を縦横無尽に駆け回り、クロスバー直撃の惜しいシュートを放つなど、プレッシャーをかけ続けます。

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AFC BumbleBee千葉のゴールマウスを守るのは、アシルスフィーダ北海道の先輩GK、前田選手のユニフォームを借りて公式戦デビューの12#GK本田善大選手。

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8#野間口選手がゴール前の13#秋田真弓選手にむけて放り込むクロスを、落ち着いて処理します。

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FC九州バイラオールは後半途中から3#前島宗平選手と、公式戦デビューとなる4#佐々木孝祐選手をピッチに送り込みます。実戦に慣れない様子の4#佐々木選手でしたが、63#前澤選手と幾度もやり合っていました。

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一方でこちらも公式戦デビューを飾った31#竹内選手は、後半8分のシュート以外はなかなか思うようなプレイができず、苦い一戦となったようです。

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足元のテクニックのある3#前島選手へは、二人掛かりのプレス!4#金井選手のトライが失敗すれば、今度は3#山崎真央選手が食らいつきます。非常にやりにくそうな3#前島選手

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ドリブル突破を試みる3#前島選手は、激しいプレスにさらされました。 

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終盤に18#天川選手に代わり投入された6#松田隆洋選手もバー直撃のシュートを放つなど、AFC BumbleBee千葉をかき乱し、その度に相手DF陣は守備に追われました。

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前半同様、カウンターにかけるAFC BumbleBee千葉。しかし前線にボールは収まりません。決定的なチャンスは後半6分、後半13分、そして終了間際の3回。いずれも10#古城選手のドリブル突破と意表をついたロングシュートでした。

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両チームとも最後の詰めがうまく行かず、そのままタイムアップ。

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結局前半のうちに2点を取って逃げ切ったFC九州バイラオールが1勝目を上げ、勝点を3に伸ばしました。AFC Bumblebee千葉は勝利こそなりませんでしたが、チームの改善点が明らかとなり、13#竹内選手、12#本田選手がデビューを果たすなど、収穫も多い試合でした。

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最も目を引いた選手はこの2名。昨年A-pfeile広島AFCから移籍して、すっかりチームにフィットした18#天川選手と、得点は奪えませんでしたが、すべての攻撃の起点を作り出した10#古城選手です。

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初戦から激しい試合でスタートしたレオピン杯。昨年このピッチの上で泣き崩れた関西セッチエストレーラスと、日本選手権で涙を飲んだFCアウボラーダがすでにピッチに姿を現していました。両者それぞれに強い思いを胸に秘めた、注目の一戦がいよいよ始まります。

②へ続く
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