精神障害がある方もない方も、一緒にLet’s Play
フットサルを通じて精神障害者の社会活動を支援している「埼玉カンピオーネ」。その埼玉カンピオーネが主催するソーシャルフットボールリーグ「Sリーグ」は、今季すでに開幕し現在までで第2節を終えていますが、その前哨戦とも言える1day大会「はっとりフットサル2017」が7月に開催されました。パラキートもご招待いただき取材してきましたので、その時の模様をレポートします!
「はっとりフットサルカップ」とは、埼玉カンピオーネのチームパートナー「はっとり鍼灸接骨院」とのコラボ企画で、精神障がいの有無に関わらず誰でも参加できる、1day大会です。Sリーグ加盟チームだけでなく、県内外からも幅広く参加者を募り、この日ははっとり接骨院の関係者チーム、果ては主催の埼玉カンピオーネ実行委員会までもがチームを作って参加。集まった参加者は総勢89人にものぼりました。
以前参加させていただいた、千葉県で活動するトモフト主催「フットサルオープンリーグ関東交流会2017」とはまたちょっと違った趣きのこの大会。順位を争うという意味では、民間のフットサルコートでの1Day大会と、イメージ的には近いです。
バトルロイヤル!総勢10チームの総当たり戦
梅雨明け間近、7月の西大宮スポーツパークはすでにうだるような暑さ。にも関わらず、ウォーミングアップに汗を流す参加者のはつらつとした姿がありました。
Sリーグを2ヶ月後に控え、Sリーグ所属チームにとっては前哨戦。優勝商品も出るとあって、各チームなかなかの気合の入りっぷりです。
埼玉カンピオーネ実行委員・岡田さんの挨拶で始まる開会式。発足から10年間、埼玉カンピオーネの成長を見守り続けてきた方です。
スポンサーのはっとり鍼灸院さま。地元の企業や事業主のサポートを受け、地域ぐるみで活動しているところが、埼玉カンピオーネの大きな特徴です。怪我の多い選手たちにとって、こうしたサポートはありがたいですね。
チーム数は10チーム。それが3つのコートに分かれてそれぞれ対戦する、まさにバトルロイヤル方式。見るのも参加するのも大変です。さすがにこの数の試合をレビューするのは不可能なので、戦いの様子は写真でご紹介!!
エンジョイなんて言わせない!Sリーグの前哨戦
10チーム中7チームはSリーグのチームなので、エンジョイ大会とはいえ、Sリーグ同士の戦いはギアは上がり目のガチ勝負。Sリーグで優勝争いを演じるであろう、EVOLVIENTO F.C.とふれむFCとの試合は、本番さながらの迫力ある一戦となりました。
火花散る一対一の攻防!ライバル同士、レッツエンジョイ!なんて言ってられません。
ソーシャルフットボール関東選抜にも選ばれた吉澤選手(ふれむFC)ももちろん参加。
ガチ勝負といえばこちらも。FCカンジャーレvsソシオ所沢。東京のBOSCO NEXTから移籍した選手も参加しての前哨戦であり、互いの実力を確認するいい機会でもあります。
遠慮はいらない真剣勝負。Sリーグでも迫力のある試合を見せてくれました。
渾身のシュート!37度を超える暑さの中ですが、みな一戦一戦に集中していました。
他の対戦でも要所要所で激しい攻防が見られました。ライバル意識の強いチーム同士、エンジョイ大会とはいえ負けられない気持ちが強く感じられました。
小さな巨人たちが大会を席巻!
ガチ勢のSリーグチームたちに混じって、驚異の勝率を誇ったチームがいます。それはスポンサーのはっとり鍼灸院チーム。小学生のプレイヤーを中心に構成された、最年少チームです。
地元のサッカーチームの子供達はテクニックも抜群で、大人も止められないほど。シュートも強烈で、彼ら相手に手加減など出来るはずもありません。
笑ってしまうくらい点を獲りまくる小学生軍団。
小学生同士の熱いマッチアップ。さすが小学生、容赦がありません。
調子付く小学生たちに大人の格の違いを見せつける大人気ない大人、実行委員・鎌田さん。
パラキートは左の青ビブス「個人参加チーム」に参加させていただきました。小学校低学年のお子さまやSリーグチームのスタッフ、実行委員・岡田さん&鎌田さんも混ざっての超混成チーム!
不思議なことに、シュートを打っても、勢い余っても転んでも笑ってしまうんですよね。
実行委員長のこの人も、笑顔でシュートを撃ちまくり。スタッフなのに活躍しまくってました。
点が決まればみんなこの笑顔。個人参加チームは即席チームなのにアレヨアレヨという間も無く点を重ねていきます。
私たち個人参加チームの秘密兵器。妹さんと仲良くプレイしていました。見よ、このフォーム、さすがサッカーやフットサルにかこまれているだけあります。
小さなエースを相手にシュートを止めれば「大人気ない」とブーイングを浴び、決められれば味方から「おーい!!」とブーイングを浴びる、完全に四面楚歌のEVOLVIENTO F.C.のGK。これが秘密兵器と称される所以か?
エンジョイもガチも同時に楽しめた、不思議な4時間半
パラキートが参加した個人参加チームは女性が2人、年少者2人、男性5人の混成チームで、参加チームの中ではもっともエンジョイな雰囲気のチーム。男性がボールを持てば途端にガツガツぶつかってきますが、年少者や女性がボールを持つと、ガチなSリーグ勢もチャージは封印。真剣な中にも緩さがあって、不思議な一時でした。
社会に出れば、狭い空間の中で実に様々な人と出会います。人に合わせて感情のコントロールをするのにも似ているのかな、などと思いつつ、自分も気持ちよく1ゴール挙げさせていただきました(^^
だいぶ日も傾き始めた頃、9試合目・最後の試合が終わりました。大会はここで終了。
日も傾き始めたコートには、疲れのなかに満足感を浮かべる参加者たちが日を浴びて佇んでいます。
いよいよ結果発表ですが、この日の総合順位は予想外の展開となりました。実行委員・鎌田さんの発する謎な効果音とともに…。
じゃかじゃかじゃかじゃかじゃかじゃかじゃかじゃかじゃかじゃんっ。
1位 ふれむFC
Sリーグで常に優勝争いを演じているふれむFC。女性や小学生などなにするものぞ(もちろんちゃんと手加減してました)。強烈なシュートや猛然果敢なドリブルで、勝負に徹して見事優勝!Sリーグ開幕に向けて幸先の良いスタートを切りました。優勝商品は蕎麦処天狗屋さまから提供のお蕎麦セット+(蕎麦屋なのに)マカロニ!疲れた体に蕎麦、いいですね!
2位 個人参加チーム
なんと2位は我らが個人参加チーム!気がついたら点を獲りまくっていたようで、ふれむFCさん以外には負けていませんでした。このままSリーグ参戦したら優勝しちゃうかも?(手加減してもらったという意見もあり)
3位 はっとりKチーム
小学生軍団が席巻したはっとりKチーム。スポンサーと主催者チームが2位・3位とっていいのかというツッコミは置いておいて、 若さが光る3位入賞となりました。
全日程が終わり、最後は笑顔で締めくくった「はっとりフットサルカップ2017」。イベント成功の陰には、スムーズに日程が進行するように尽力した当事者スタッフの姿もありました。健常者・当事者と分け隔てることなく、誰もが平等の立場でイベントに参加する。それが埼玉カンピオーネが続けるチャレンジであり、また社会生活の本来あるべき姿でもあるのです。
また来年、このコートに笑顔と歓声が響く日を楽しみにしています。レビューを読んで気になった方も、ぜひ参加してみてくださいね!
追記
実はこの後、実行委員会スタッフにお誘いいただいて、スポンサーの蕎麦処天狗屋さんでお蕎麦をいただきました。灼熱のピッチで走り回った後の蕎麦の味は、、胃にしみるほど格別。蕎麦をすすりながら、埼玉カンピオーネの想いを伺うこともできました。それについては、また、別の機会に。
蕎麦処天狗屋
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(了)
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