パラキートのパラスポーツ日記

障害者サッカー中心のブログです。アンプティ、電動車椅子、ブラインド、CP(脳性麻痺)、デフ(聴覚障害者)、ソーシャル(精神障害者サッカー)、知的障害者など。そのほかパラスポーツもご紹介!

まばたき禁止、小手先不要のガチフット!〜第13回ロービジョンフットサル日本選手権

 

アリーナに響き渡る衝撃音

「バンッ!」「バチン!」「ドン!」
アリーナに足を踏み入れた途端、聞こえてきた音。
5月4日〜5日の2日間にかけて開催された「第13回ロービジョンフットサル日本選手権」の会場・水元総合スポーツセンターに響き渡る衝撃音でした。

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ロービジョンフットサル。
「Low【弱い】 Vision【視野】 Futsal」の名の通り、弱視者(視野が狭い、ぼやける、欠けるなどの視覚障害者)で行われる5人制サッカーです。

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視覚を完全に遮断する「ブラインドサッカー」と異なり、残存視力を生かします。フィールドプレイヤーは障害クラスのB2(矯正後の視力0.03まで、または視野5度まで)、B3(矯正後の視力0.1まで、または視野20度まで)の弱視者、GKは晴眼者が担当。フットサルとルールは同じです。

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一見すると一般的なフットサルと変わりませんが、視野が狭く視界も限られるため、コミュニケーションと連携の高さが勝負のカギとなります。

「社会的失明」と呼ばれるロービジョン

白内障」「緑内障」「加齢性黄斑症」に代表されるロービジョンは、障害者手帳が交付されにくく数字に現れません。実際は推定160万人以上いると言われ、その経済的損失は約8兆8千億円、「社会的失明」とも呼ばれます。多くは進行性で、気がついたときには極度に悪化しているケースもあり、早期予防が困難と言われています。
一言で弱視と言っても症状は様々。違う条件の選手同士が集まって競技を行う難しさは、想像しがたいものがあります。
下は見え方の一例(※モデルは気にしないください)

健常者の見え方

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白濁した弱視者の見え方

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全体に薄くもやがかかったように見えている弱視者の見え方

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中央に暗転部分がある弱視者の見え方

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視野が狭くなる(視野狭窄弱視者の見え方

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視界の狭いロービジョンフットサルでは、組織で崩すよりも個人技が多くなり、ボディコンタクトも増えます。冒頭の激しい音は、選手同士のぶつかり合いで生じる音だったのです。

国内チーム数は4チーム

国内で活動するロービジョンフットサルチームは4チーム。いずれも関東圏で活動しています。

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Grande TOKYO(東京都)

2003年に設立され、15年の歴史を持つGrande TOKYO。文京区都立文京盲学校グラウンドを本拠とし、トップチーム在籍選手は6名。ロービジョンフットサル日本代表で、昨年の世界選手権(イタリア)に出場した10#角谷佳祐選手、同強化指定8#岡晃貴選手が所属しています。日本選手権&東日本リーグでは2013年から4年連続優勝、今大会も優勝候補筆頭です。キッズ、エンジョイクラスを併設するなど、指導や普及にも力を入れています。

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Grande Tokyo - ホーム | Facebook
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埼玉FC・ARES(埼玉県)

所沢の国立リハビリセンターで活動する、2016年10月に誕生したクラブチームです(前身はLFC埼玉)。今大会では登録選手8名。日本代表として昨年の世界選手権に出場した8#辻一幸選手、同強化指定10#中澤朋希選手が在籍します。ブラインドサッカーの強豪チーム「埼玉T.wings」と活動を共にしながら、ロービジョンフットサルの普及に努めています。

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CA SOLUA葛飾(東京都)

都立葛飾盲学校を拠点とし、2018年4月に産声をあげたばかりの新しいクラブチームです。チーム名は「シーエー(クラブ・アトレティコ)ソルア」。実戦機会の増加と競技レベルの底上げのため、既存チームから分かれる形で結成されました。
キャプテン&代表を務める10#岩田朋之選手、大平英一朗選手、丸山哲生選手は日本代表として昨年の世界選手権で共に活躍。ロービジョンフットサルのみならず、障害者サッカー7競技の総合クラブチームを目指しています。

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FC SFIDAつくば(茨城県

筑波技術大学春日キャンパスを本拠地とし、学生とOBを中心に構成されたクラブチームです。多くの日本代表選手が輩出されたFC SFIDAつくばは、現在でこそ日本代表選手は在籍していませんが、日本のロービジョンフットサルの礎となるクラブと言えるでしょう。

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FC SFIDA つくば - ホーム | フェイスブック

 

スピーディ&エキサイティング!

冒頭の2試合は観戦できず。よって写真もありません…。が、スコアは大差がつくこともなく、拮抗した試合だったことが伺えます。

第一試合 Grande TOKYO vs FC SFIDAつくば

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第二試合埼玉FC・ARES vs CA SOLUA葛飾

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第三試合 Grande TOKYO vs 埼玉FC・ARES

と、いうことで。初日の第三試合、Grande TOKYO vs 埼玉FC・ARESの試合がパラキートにとって初のロービジョンフットサル観戦となりました。

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冒頭の激しい音が示すとおり、フィジカルコンタクトが強く直線的な攻撃が特徴。攻守がめまぐるしく変わり、とにかくスピーディ!一瞬も目が離せません。

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試合が激しさを増してくると、ファールやイエローカードも多くなります。選手も少しずつヒートアップしますが、審判がそれをなだめにいきます。

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ロービジョンフットサル特有の行動ではないかもしれませんが、セットプレイ時に選手同士が腕を引っ張ったり、GKが選手の位置を調整する動きがしばしば見られます。

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他会場でお話をしたことのあった埼玉FC・ARESの8#辻一幸選手(右)のプレー。Grande TOKYO10#角谷佳祐選手と激しいマッチアップを繰り広げました。エキサイティングなシーンの連続です。

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試合は2-1で埼玉FC・ARESが勝利。2勝で初日を終えました。一方のGrandeTOKYOは登録人数の少なさとけが人の影響で、思うようなプレーができなかったように見えます。

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注目の古巣対決、勝利はどちらに?

第四試合 FC SFIDAつくば vs CA SOULA葛飾

この日最後の試合、赤のユニフォームC SFIDAつくばと、黒のユニフォームCA SOULA葛飾の一戦。ウォーミングアップから元気一杯なFC SFIDAつくば。一方のCA SOULA葛飾10#岩田選手を中心に気合い十分。それもそのはず、FC SFIDAつくばは彼らにとってほんの2か月前まで古巣だったからです。

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ウォーミングアップの勢いそのままに試合に入ったFC SFIDAつくばは、開始2分に早速の先制点。雄叫びをあげる選手!

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先制を許したCA SOULA葛飾も黙っていません。ピッチのあちこちで激しくぶつかり合う選手たち。試合はまたも肉弾戦の様相に。

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CA SOULA葛飾、前半終了間際に追いつき同点。振り出しに戻します。

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FC SFIDAつくばのGKは、前後半通してファインセーブを連発。1-1の引き分けに貢献しました。

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一方のCA SOULA葛飾のGKは、レーザービームのようなアンダースローで魅せます。

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この試合でも、不可抗力ではありますが至る所でファールが見られました。

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試合は1-1の引き分け。「意地がぶつかり合う」という表現がふさわしい試合になりました。選手たちは疲労困憊といった様子。チーム全体の持久力も求められるタフな競技です。

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ロービジョンフットサルの特徴的なシーン

さて、観戦していていくつか気がついたことがあったので触れておきましょう。


ゴールポスト&サイドラインの工夫

まずゴールポストとサイドバーにご注目。テープで点線が描かれています。これはゴールポストの視認性を高めるための工夫なのです。

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上の写真の明度を変えてみた写真がこちら。見え方が異なっても、ゴールポストの位置が判別しやすいですよね。

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そしてコートのラインは、白と青のラインテープで二重に示されています。試合中、このラインを触って確かめたり、審判に位置を誘導されているシーンが何度か見受けられました。

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ブラインドサッカーの審判がロービジョンフットサルの審判も担当

もう一つ、ブラインドサッカーのファンの方にはもうお馴染みの顔ですが、ブラインドサッカーで活動されている審判が、ロービジョンフットサルのジャッジも兼務します。

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ブラインドサッカーのレフェリングは声と音が重要。そしてそれはロービジョンフットサルも同じ。距離を測るときやリスタートの制限時間を教えるとき「ワーン!ツー!スリー!」と声に出すのは、ロービジョンフットサルならではの光景です。

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また審判は頻繁に選手へ声をかけ、選手の体調を気遣い、怪我がないように試合をコントロールします。経験豊富なベテラン審判たちによって、ロービジョンフットサルは支えられているのです。

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波乱の展開!大会2日目

大会は2日目に入り、予選リーグ2試合と順位決定戦2試合を残すのみとなりました。第五試合は残念ながら間に合わず、またもGrandeTOKYOの試合を観戦できませんでした…(GrandeTOKYOさんすみません…)。

第五試合 Grande TOKYO vs CA SOLUA葛飾

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第六試合 FC SFIDAつくば vs 埼玉FC・ARES

決勝進出がかかる第六戦も試合は白熱。初日以上の緊迫した試合と成りました。

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連覇が厳しくなったGrandeTOKYOをかわして、戴冠するチャンスが巡ってきた両者。
互いに譲る事なく、激しい攻め合い。早速のようにイエローカードも提示されました。警告を出す事で試合を荒れさせず、落ち着かせる。審判の力量も問われます。

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限られた視野の中で、選手同士が交錯します。目の前の選手に気がつかず、受身が取れない状況で正面からぶつかるシーンも。

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試合は互いに一歩も引かぬ好勝負に。両チーム、ゴール前まで迫りますがスコアが動かないまま試合は進みます。

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足をつったり、負傷交代する選手も増えてきました。選手の少ない埼玉FC・ARES、厳しい状況です。

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試合終了間際、埼玉FC・ARESのセットプレーをしのいだFC SFIDAつくばはそのままカウンターを発動。そして1点をもぎ取ります。それと同時に試合終了。土壇場で劇的な勝利を収めたのはFC SFIDAつくばでした。

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この結果、1勝2分のFC SFIDAつくばと2勝1敗の埼玉FC・ARESが決勝で再び激突、GrandeTOKYOとCA SOLUA葛飾が順位決定戦に回ることになりました。

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さあ、あとは順位決定戦と決勝を残すのみです!

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普及&啓蒙活動に力を入れるロービジョンフットサル&ブラインドサッカー

試合の合間には体験会が開催され、地元のサッカーチームの子供たちがロービジョンフットサルとブラインドサッカーを体験しました。

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特製のマスクをかけてボールを蹴るロービジョンフットサル体験。視界が限られた中でのボールの扱いには、だいぶ苦戦しているようです。「見えねー!」

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ブラインドサッカー体験はグループにわかれミニゲームをしたり、ディフェンスが入っってのシュート練習をしたり。終始子供たちの笑いは絶えず、楽しい雰囲気の中体験会は進みました。

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アリーナの外には、ロービジョンの啓蒙ブースも。弱視の方が見える世界をわかりやすく表しています。パラキートの本職はグラフィックデザイナーなので、色盲色弱といったユニバーサルデザインは日常的な関心事。

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昨年のブラインドサッカーアクサブレイブカップの会場で体験させていただいた、高性能弱視体験キットもありました。10種類以上もあるレンズを付け替える事で、様々な症状を実体験することができます。

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屋外での自然光の方が見えやすい選手、屋内照明の下の方がプレーしやすい選手と、選手の見え方も様々。どの選手にも比較的プレーしやすい会場を探すことも、ロービジョンフットサルでは重要な要素です。

 

決勝は予選リーグ最終戦と同組み合わせ。GrandeTOKYOは無念の棄権

順位決定戦 GrandeTOKYO vs  CA SOLUA葛飾

3位決定戦に出場予定だったGrande TOKYOは、無念の不戦敗。けが人が多くとても試合に出られる状態ではありませんでした。大会4連覇をかけて臨んだGrandeTOKYOは、失意のうちに大会を去り、初出場のCA SOLUA葛飾は3位となりました。

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勝戦 
埼玉FC・ARES vs  FC SFIDAつくば

予選リーグ最終戦と同じ顔合わせになった決勝戦。最終戦では0-1と惜敗した埼玉FC・ARESはリベンジをかけて試合に臨みます。円陣を組み、気持ちを一つにします。

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試合開始から激しいプレーの応酬になるのは、過去の試合と同じ。

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前半2分、埼玉FC・ARESが早々に先制点。まずは予選リーグの借りを返します。

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その後も試合はヒートアップ!

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そして前半8分、埼玉FC・ARESに追加点が入ります。2-0。埼玉のペースで試合を支配します。

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後のなくなったFC SFIDAつくばはリスクを冒して攻勢を強めますが、その分パスミスやラフなプレーも増えます。

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FC SFIDAつくばの素早い攻撃に振り回される埼玉FC・ARESの守備陣。味方同士で交錯する場面もありました。決勝にふさわしい死闘が続きます。

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カウンターを取られ、ピンチが増えるFC SFIDAつくば。しかし、全員がしっかりと守備に戻り、埼玉FC・ARESの追加点を許しませんでした。

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度重なる危険なプレーに、FC SFIDAつくばの23#鳴瀬選手がヘアバンドを床に叩きつけ、激昂するシーンも。「成瀬!おちつけ!」相手選手に詰め寄ろうとする23#鳴瀬選手をなだめる主審の声が、観客席にも聞こえてきました。

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そうこうしている間にも、時間は刻々と過ぎていきます。埼玉FC・ARESの巧みな守備に阻まれ、決定機をなかなか生かすことができないFC SFIDAつくば。

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しかし埼玉FC・ARESもそうやすやすと守備できるわけではありません。勢い余って相手選手をなぎ倒し、イエローカード。怒りを押し殺し、主審に促されながらFK位置へ向かう23#鳴瀬選手

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その後も攻守が入れ替わり、緊迫の試合が続きます。

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そして試合終了間際でした。FC SFIDAつくば10#千葉選手(ユニフォームは名前が違います)からボールをカットした8#辻選手は、そのまま相手ゴールへと落ち着いてシュートを決め、3-0。

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だめ押しの3点目をもぎ取った8#辻選手が観客の声援に答えます。時間は残り1分と少し、FC SFIDAつくばにとって、トドメを刺されるに等しい失点でした。

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それでも最後まで走るFC SFIDAつくば。試合終了のその瞬間まで、決して諦めを見せることはありませんでした。

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試合終了!勝ったのは埼玉FC・ARES!初優勝です!

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感情をむき出しにし、チームの中でもひときわ存在感を放った23#鳴瀬選手。それでも優勝に届かなかったその悔しさは、虚空を見上げる彼の姿からもひしひしと伝わってきました。 

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準優勝はFC SFIDAつくば。主力選手の退団という事態を乗り越えての準優勝は、チームにとって価値ある結果になったことでしょう。

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そして優勝は埼玉FC・ARES。大会初出場で初優勝を飾り、チームに新しい歴史を刻みました。

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MVPに輝いたのは、優勝した埼玉FC・ARESの8#辻選手。 攻守に動き回った献身的なプレーは、MVPに値する活躍っぷりでした。

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表彰が終わり、安堵する選手たち。こんな茶目っ気も披露しますが、足や頭に巻かれた氷のうやサポーターからは、競技の激しさが痛々しく伝わってきます。本当にお疲れ様でした。

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埼玉FC・ARESは選手全員で記念写真!喜び爆発です!初優勝の味は格別でしょうね。

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そして涙を飲んだFC SFIDAつくばも、全てが終わってこの表情。9月に開幕を控える東日本リーグに向けて、ここから新たなスタートを切ります。

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認知度の向上、競技人口の増加が今後の課題

2日間にわたって会場に足を運びましたが、気になったのは圧倒的な観客の少なさ。日本選手権という大舞台にも関わらず、観客は20人足らず。一般的なフットサルと見分けがつきにくく、集客が難しいことが原因だと思いますが、選手の激闘ぶりが魅力なだけに、もったいなさを感じてしまいます。

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そして4チームという出場チームの少なさも大きな課題。ロービジョンだと気がつかない当事者、そもそもロービジョンフットサルを知らない当事者も多く、競技人口は非常に少ないのが現状です。ロービジョンフットサルの認知向上は、競技を続けていくためにも至上命題なのです。

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小手先不要!限られた視野の中で、輝かしい勝利に向かって勇敢に挑むロービジョンフットサル。スポーツの醍醐味を存分に味わえるスポーツです。パラキートももっとこの競技の奥深くまで、知ってみたくなりました。

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ロービジョンフットサルを実際に観戦したい方へ朗報!東日本リーグが今季もいよいよ始まります。彼らの暑い試合を見ることができるのは東日本リーグだけ!ぜひ、お近くの会場へ足をお運びください。

2018jシーズン 東日本リーグロービジョンサッカー 日程

2018年9月2日(日)埼玉FC・ARES vs CA SOLUA葛飾 会場:埼玉県本庄市

2018年9月30日(日)GrandeTOKYO vs FC SFIDAつくば 会場:神奈川県横浜市

2018年10月20日(土)FC SFIDAつくば vs CA SOLUA葛飾 会場:茨城県つくば市

2018年10月27日(日)FC SFIDAつくば vs 埼玉FC・ARES 会場:東京都品川区

2018年11月4日(日)GrandeTOKYO vs CA SOLUA葛飾 会場:東京都町田市

2018年11月25日(日)GrandeTOKYO vs 埼玉FC・ARES 会場:東京都福生市

2018年12月2日(日)順位決定戦(3・4位&1・2位)会場:東京都文京区

詳細は協会HPをご覧ください。

www.b-soccer.jp

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(了)
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写真及び記事の無断転載・無断使用は固くお断りします。