激闘終演。ついに関東代表2チームが決定!
この時点で埼玉CAMPIONEが4戦を戦い終え、1勝1敗2分で勝ち点5(+3※不戦勝)が確定。残る4チームは、順位が未だ見えないままクライマックスへと突入していきます。
第8試合 Espacio vs ダルク
第8試合目にして、関東2強同士の組み合わせになりましたが、これほどまでに明暗別れた状況で対戦したことが今まであったでしょうか?
1勝1分のEspacio、全チーム唯一2敗のダルク。Espacioは2大会連続の全国大会出場と今大会優勝をかけて 、ダルクはわずかな関東大会出場の可能性にかけて、大一番に挑みます。
前半序盤、ダルクは前がかりで攻撃を仕掛けます。1点でも多く取りたい状況で、10#の個人技による打開に命運を託します。
©JSFA
しかし全国大会、関東大会、そしてぽるとカップ。すでに過去何度も対戦し、互いの手の内を知り尽くしている両者。Espacioはダルクの持ち味である突破力を消しにかかります。
©JSFA
Espacioはダルク10#に判断する余裕を与えず、執拗なまでにマークにつきます。ダルクは10#からボールを散らすように連携で打破しようとしますが、Espacioの寄せの早さに、次第にやり込められていきます。
©JSFA 攻め上がるダルクの選手たちへのに対して、Espacioは素早く選手を寄せ、前を向かせません。
危険な予兆には2人の選手が当たりにいく徹底的な守備。ダルクは藻が絡まったスクリューのように、推進力が落ちていきます。そんなEspacioの徹底守備は、じわじわとダルクに効いていきました。
思うように試合が運べず、苛立つダルクの選手たち。それをespacioは見逃しませんでした。
©JSFA ほんの少しのミスが命取りになる大一番
前半4分、前がかりになったところを裏のスペースをつかれ、一瞬のうちにEspacioが先制点。取られてはいけない先制点を許したダルクは焦りの色が隠せません。Espacioはその乱れをついてさらに追加点!!
2点ビハインドを負って、崖っぷちに立たされたダルク。後半開始から10#は一縷の望みをかけて駆け上がります。しかしEspacioの守りは崩れません。
©JSFA 立て直せるかダルク
逆に、Espacioの攻勢が増し、ダルクは守備に追われなければいけない状況に。攻め上がろうとするところをボールを奪いにかかるEspacio。
©JSFA 前を向かせない守備陣。奪ったボールを素早くカウンターにつなげていきます。
Espacioは手堅く守りを固め、失点を防ぐスタイルへと変化していきます。刻一刻とすぎる時間。ダルクの焦りは一段と色濃く。それは、ボールボーイへの返球の要求の声色からも伝わってきました。
そして、何も手が打てないまま、試合は終了。2-0で勝利をものにしたEspacioは、ライバルから勝利をもぎ取り、昨年の関東大会&全国大会での雪辱を晴らしました。最終戦は優勝と全国大会をかけて、BOSCO NEXTとの大勝負です。
一方のダルクは、何がかみ合わないのかわからないまま、泥沼に沈むように痛恨の3敗目。試合後に握手をするその後ろ姿には、昨年覇者の面影はほとんどありませんでした。
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第3試合 RESULT
Espacio 2-0 ダルク
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第9試合 ダルク vs FC PORT
ここまで2勝1敗のFC PORT。1敗したとはいえ、オウンゴールという不運な形での失点で、守備はほぼパーフェクトといって良い出来。ここで勝利すると、結成10年にして悲願の全国大会出場と関東大会の優勝が限りなく近づきます。ダルクは3敗で迎えた連戦。関東大会の2連覇と全国大会出場の夢が断たれ、切り替えが難しいところですが、どこまで王者の意地を見せつけられるか。
ダルクは攻撃的なスタイルを変えず、開始早々から攻勢に出ます。
攻撃の早さ、突破の迫力はさすがにダルクといったところ。次々とシュートを放っては、FC PORTの守護神をヒヤヒヤさせます。
©JSFA 攻撃面で爆発していたFC PORT0#も守備に奔走します
勢いのある攻めに押され気味のFC PORTは、それでも複数人のチェックと伸びる手足で相手プレイヤーからボールを奪い取ると、反対にカウンターから相手を脅かします。
©JSFA 危険を察知すると全員守備で囲い込み、ピンチを切り抜けていく
©JSFA 積極果敢にシュートを狙っていくキャプテン
苦手意識を持っていたダルク相手に奮闘のFC PORT。次第にダルクのペースをつかみ、チャンスに持ち込ませないように対処できるようになってきました。
©JSFA 今大会通して、相手チームの守備に手を焼いたダルク
しかしダルク側も、FC PORTのストライカーを警戒。二人掛かりのマークで徹底的に潰していきます。
そして持ち前の突破力でシュートまで持ち込む!FC PORTは冷や汗をかきます。
そしてついにその時が訪れました。
©JSFA ダルクDFも止められず!!
角度のないところから放たれたボールは、ダルクのゴールへ一直線に。意表を突かれたダルクGKの脇をすり抜けてネットを揺らす…!!FC PORT、クラブ史を塗り替える、悲願成就へ大きな1点です!
その後も安定した守備で得点を許さず、試合終了を見届けたFC PORT。3勝1敗という成績で全試合を消化。この時点で悲願だった全国大会出場の目標を果たしました。そして関東大会初制覇の栄冠をだれが掲げるのか、最終戦Espacioの結果に委ねられます。
©JSFA 悲願の全国大会出場を決め、喜びに沸くFC PORTベンチ
一方で、4戦全敗という信じられない結果を誰が予想していたか。一番信じられないと思ったのは他ならぬダルク陣営でしょう。
試合終了後、FC PORT佐藤監督に「ゼロからチームを作り直します」と言い残して去ったダルクのエース。その言葉になにか安堵したのは私だけではないと思います。来年はきっと、ふてぶてしいばかりにその強さを見せつける強いダルクが再び戻ってくるに違いありません!!!
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第9試合 RESULT
ダルク 0-1 FC PORT
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第10試合 Espacio vs BOSCO NEXT
今大会を締めくくるのは、Espacio vs BOSCO NEXT。FC PORTが3勝1敗で締めくくり、Espacioも2勝1分。優勝は2チームに絞られました。
©JSFA
BOSCO NEXTも勝てば全国大会出場、引き分けで3位入賞、しかし負ければ一気に4位転落という、天国と地獄の間で運命の一戦を迎えます。
©JSFA
試合はやはり序盤から全力戦に。互いにチャンスを潰し合いながら、主導権を巡っての駆け引きが続きます。ここまでくると、関東の強豪という冠を脱ぎ捨てて、意地と意地のぶつかり合いに。
©JSFA
BOSCO NEXTは負傷者を出しながらもEspacioを追い込めます。何度も際どいシュートがEspacioゴールを襲います。泣いても笑ってもこれが最後の試合。全力で向かっていきます。
©JSFA
Espacioもボールを奪うと素早くカウンター!激しい打ち合いが続きます。
©JSFA 迫るEspacio、阻むBOSCO
負傷したGKに変わり、もう一人のGKがしっかりゴールを守ります。
際どいシーンをなんども救うBOSCO NEXT GK。チーム一丸となって優勝を狙います!
©JSFA
互いにジリジリとする時間が続きます。1点が決まれば…しかし焦りからかなかなかなきまらないその1ゴールを、彼らは追い続けました。
©JSFA
そして、死闘が始まって24分が過ぎた時、Espacioが得たCK。
©JSFA
意を決して放たれたCKを、4#がダレクトシュート。BOSCO NEXTのGKの一瞬の隙をつくシュートがネットを小刻みに揺らします。決めたのはEspacio! 粘りに粘って掴み取った決勝弾。同時に今大会優勝に王手をかける、大きな1点でした。
©JSFA 試合終了間際の先制点。仲間の祝福をうけるEspacio4#
「オイっ!!まだある!まだあるぞ!!」
先制点を取られ、追い詰められたBOSCO NEXT。ピッチ上の選手からも、ベンチからも、檄が飛びます。
©JSFA
しかし、残された時間はあまりにも短すぎました。
©JSFA
そして終了の瞬間。Espacioの喜びが爆発します!関東大会を制したのはEspacio!!
Espacioは見事に優勝を掴み、全国大会出場を決めました。
うなだれるBOSCO NEXT。今大会、チーム力を発揮してここまで全国大会出場に肉薄してきただけに、一瞬で4位に転落した敗戦は大きなショックでした。
©JSFA 安堵と歓喜に包まれるEspacioとうなだれるBOSCO NEXT。
©JSFA BOSCO NEXTは最後まで諦めることなく、全国大会を目指しました。下を向くのは似合わない
際どい結果ながらも、残り僅かなところで手元をすり抜けていった全国大会の切符。BOSCO NEXTのメンバーはホイッスルが鳴り響く中、呆然といった表情。しばらくその場から動けませんでした。
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第10試合 RESULT
Espacio 1-0 BOSCO NEXT
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こうして、すべての日程が終了し、結果は以下の通りとなりました。
(バルサ出場辞退による不戦勝は3-0とカウント)
©JSFA
優勝 Espacio 4勝1分 勝ち点13
2位 FC PORT 4勝1敗 勝ち点12
3位 埼玉CAMPIONE 2勝1敗2分 勝ち点8
4位 BOSCO NEXT 2勝2敗1分 勝ち点7
5位 ダルク 1勝4敗 勝ち点3
リーグ戦の結果は添付の通り。
FC PORTが地元開催の大会で見事全国大会出場。そして優勝は安定した試合運びを見せたEspacioが掴み取り、その貫禄を見せつけました。
閉会式
激闘ここに終演。閉会式は喜びと悔しさと疲れが混ざったなかで行われました。
優勝を遂げたEspacio。張り詰めていた表情が印象的だったキャプテンも、幸せに満ちた笑顔です。この優勝は彼らにとって特別なものでした。試合終了技に思わぬサプライズもあり、観客を驚かせました。本当におめでとう!!!
©JSFA
得点王はFC PORT躍進の立役者となったFC PORT 0#。前回大会に続き、2年連続となりました。
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大会を通して活躍した選手に贈られるMVPに選ばれたのは…なんとこれもFC PORT 0#。これには本人も驚きを隠しきれない様子。試合中はその無尽蔵のスタミナで、攻守にわたりチームの要となり続けました。
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ハイレベルな大会となった今大会、優勝こそ常連Espacioですが、特に若手中心の第二勢力の台頭が目につきました。全国的にも一つ図抜けている関東地区のレベルがさらに上がってきたことは、今後のソーシャルフットボール界にどのような影響を与えるのか、楽しみで仕方がありません。
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全国には未だ見ぬ強豪チームが数多くあります。Espacio,FC PORTの両チームにはさらに強いチームも待ち構えていると思いますが、全国大会で関東の強さをさらに轟かせてほしいです!
その「第17回全国障害者スポーツ大会 愛顔つなぐ愛媛大会 兼 第二回ソーシャルフットボール全国大会」は、2017年10月28日〜30日の間の2日間での開催。全国から強豪が集い、真の最強クラブが決まります。
もちろんパラキートも同行予定。その時まで半年間、さらにソーシャルフットボールの魅力を掘り下げていきたいと思います!
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(了)
※JSFA・日本ソーシャルフットボール協会より写真をご提供いただいております。
写真の無断転載及び使用は固くお断りします。